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名古屋T家の改築

45年の歳月と空間を繋げる階段

RC3階建ての住宅の改築です。亡き父が建てた築45年になるRCの住宅は、南側に大開口がある住宅でありながら、断熱性は悪く、階段も勾配が大変急なものでした。母にとって住みやすい空間に改築をするとともに、母が亡き後においても残された家族が快適に使い続けることのできるような計画としています。

建物概要
用途:専用住宅
延床面積:227.44㎡(3階建)
構造:RC造
施工:芳賀沼製作
設計:はりゅうウッドスタジオ
総工費:

リビングとキッチン

改修前。RCむき出しに解体した空間。既存の階段を緩やかに作り直し、化石のように過去の階段断面が見えるように残した。

リビングとは、障子一枚で仕切っている。

外観。外壁をガルバリウム断熱サイディングで包み、断熱性を向上させた。

3階サンルーム。

寝室。コンクリート造の建物ながら、構造フレームを壁際に組み、木造真壁構造のような様相をインテリアとして再現した。

寝室。

設計コンセプト
この改築は、老いた母の介護の必要に迫られ、RC3階建ての改築を計画することからスタートした。亡き父が建てた築45年になるRCの住宅は、南側に大開口がある住宅でありながら、断熱性は悪く、階段も勾配が大変急なものであった。
母にとって住みやすい空間に改築をするとともに、母が亡き後においても残された家族が快適に使い続けることのできるような計画とした。
それは、戦後、父が建てた、家族にとって思い出のある住宅であったためである。
土着的な愛着と昔の建物の面影、RC造の建物に刻まれたその時間的スパンとその過去を否定せずに受け入れ、新たな時間を積み重ねて行く。そのための場づくりとしての改築であった。
計画は、RCの躯体の内部に、木材のフレームを組み、新しい空間をつくることで、RC造でありながらも木造の雰囲気を感じさせる温かな住宅となっている。
また外断熱とすることで、既存のRC造の蓄熱性を生かした快適性を実現している。

 

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