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杉の継承-カフェ杉と胡桃

山の木を製材し、手刻みだからできるリノベーションの形

施主は那須連峰の峠を越えた福島県下郷町で家業を営んでおり、新しい拠点として那須町にカフェを作ることとになった。同じ山系に先祖が植えたスギの木を伐採、製材し新たな建築の骨格したいという強い思いがあった。新築ではなく、那須で親しまれてきた元焼肉店兼住宅を改修することとなった。
地元の大工に工事をしてもらいたいという施主の想いから那須町の棟梁に依頼した。手刻みの可能性を最大限活かすため、既存建物に合わせた大屋根の架構を構成し、スギ材をその手で1本1本手刻みすることで木組みをあらわしとする建築を実現した。
既存建物は1、2階で架構の通りがずれており、構造材の腐敗も見られた。そこで最も大きな正角材を通し柱に使い、既存屋根上部に登り梁を架けて大屋根で覆うことで荷重をスムーズに伝達できるように計画した。

建築材のプレカットや製品化が進む中で、先祖の木材や職人の技術によってつくられた建築である。この建築が豊かな那須の地域に根付くことを期待している。

建物概要
用途:店舗+住宅
所在地:栃木県那須町
延床面積:259.03(2)
構造:木造在来軸組構法
設計:はりゅうウッドスタジオ
担当 : 芳賀沼整 滑田崇志 三浦翔太 斉藤光(カウンター部分等)
施工:八板工務店
製材 : 関根木材工業

竣工年:2020
写真 : 髙橋菜生

 

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