木造仮設住宅群 ● 南相馬 塔と壁画のある集会所

ログハウスの仮設住宅地における集会所の計画。
周辺には6業者による「仮設住宅村」ができるため当該地区のためだけではなく、住民の記憶に残る仮 設での生活のため、水平な風景に対しての塔、グレー系の色が続くなかでの壁画が描かれた「記憶に残る風景」となる集会所を計画する。東北大学の五十嵐太郎 研究室、はりゅうウッドスタジオ、彦坂尚嘉の共同作業によるプロジェクトである。
住み心地や計画学的なコミュニティ論は異なる観点から均質な仮設 からの脱却を試みる。集会所は壁画が描かれることを考慮したログ組みによる約10m×10mのシンプルな外形となり、もともとウッドペインティングのシ リーズを展開していたアーティストの彦坂尚嘉によって「復活」「南相馬「FUKUSHIMA」「RIBIRTH」の文字が展開した絵が描かれる。ペイント は4日間かけて行われ、約10m×4m×4面という巨大な「建築絵画」が完成した。塔は和歌山からの寄附材である檜を使用し、三角形に組んだ部材の平面上 の角度を変えながら8.1mの高さまで積み上げ、彦坂氏により5:7:5:7:7の比で着彩される。平坦な風景の中に1層で面的につくられ水平に展開して しまう仮設住宅地の中での垂直な要素としての塔。また、壁画、塔とは別にワークショップを行い持ち運び可能な端が斜めにカットされ様々なつなぎ方ができる ベンチ6脚と「南相馬市民のうた」の楽譜を座面にしたベンチがつくられた。これは仮設住宅のあいだの街路や川沿いで住民どうしの交流を促すことが目的であ る。5月にプロジェクトがスタートし、8月1日に集会所の施工が始まり、8月中旬に集会場及び壁画が完成し、11月にワークショップを行いベンチを製作、 塔の着彩が完了、12月中に塔を建設した。「余分なもの」をつくろうとする我々に対して、住民は前向きな姿勢を示してくれている。

10+1 web site 塔と壁画のある集会所について 東北大学五十嵐研究室 村越さん(当時在籍)の記事

書籍 3.11復活の塔

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