会津若松市門田地区復興公営住宅が全建賞を受賞

先日、平成25年度の福島県の復興公営住宅設計委託業務において弊社が設計を担当させて頂いた、会津若松市門田地区の復興公営住宅が平成26年度全日本建設技術協会全建賞を受賞いたしました。この賞は、建設技術の活用と公共工事の運用方法の工夫等に秀でた成果が得られた事業や取り組みに送られる賞で、福島県が東日本大震災の復旧・復興事業特別賞を受賞致しました。

 

受賞した門田地区の復興公営は福島県内では初めて木造で建設された復興公営住宅で、

① 8 戸という小規模ながら、若者から高齢者までの多世代入居を意識した、1F 重視型と2F 重視型の2つの居住タイプ

② 会津の冬季の積雪等に対応した建築に内包された車庫・物置・アプローチ空間

③ 住宅街の中で、南側採光とプライバシーを確保した2Fを中心とした居室配置

④ 一室空間を基本とした、フレキシブルな平面構成

⑤ 積極的な県産木材の活用

⑥ サンルームや空気循環等を用いた住環境向上の工夫

等が特徴的です。

木造による復興公営住宅は、小規模敷地への対応や地域の特性に合わせた設計が対応可能で、今後、県内各地域における特性を活かした住宅設計や計画が発展する可能性を含んでいると云えます。

はりゅうウッドスタジオでは、今後も福島の復興期の住まいについてお手伝いできればと考えております。

 

外観全景

ビルトイン車庫

エントランス

 

 

建築ジャーナル 2015年4月号「原発事故現場20km圏内を見て」

建築ジャーナル2015年4月号の特集3.11から4年2 原発事故と建築家に「原発事故現場20km圏内を見て」が掲載されました。

これは2015年1月25日に五十嵐太郎氏、青井哲人氏、浅子佳英氏、中川純氏と芳賀沼が1日掛けて大熊町、双葉町、浪江町、南相馬市を巡り、5年目を迎える被災地の状況を見た後、その足で座談会「福島・原発避難・復興・モラルを考える」を開催するという強行スケジュールの中で福島の復興について議論された記録です。

当日の足取りと座談会の記録(全文)を補完する形で、各氏に論考を執筆いただき、また、現在被災地の状況を区分する避難区域の解説を日本大学の浦部智義先生に伺いました。

今回10ページに及ぶ特集となっております。

ぜひご覧になって下さい。

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福島の復興に向けた勉強会「福島・原発避難・復興・モラルを考える」開催のお知らせ

1月25日(日)に郡山希望ヶ丘の郡山プロジェクトにおきまして、福島の復興に向けた勉強会を開催いたします。

テーマは「福島・原発避難・復興・モラルを考える」

ゲストに五十嵐太郎氏、浅子佳英氏、青井哲人氏、中川純氏を迎え、福島の復興に関わる「モラル」について様々な立場・視点から考えていきたいと思います。

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□日程:2015.1.25( 日)  □時間:17:00 頃~ ※開始時間は前後する場合がございます。
□場所:郡山プロジェクト( 福島県郡山市希望ケ丘59-1 ※郡山希望ヶ丘郵便局前です)
□参加費:無料

(※参加を希望される方は事前に、はりゅうウッドスタジオまでメール等でお名前と参加人数等を御連絡頂けますと幸いです。)

□主催:日本大学工学部浦部智義研究室+( 株) はりゅうウッドスタジオ+NPO 福島住まい・まちづくりネットワーク

□問い合わせ先:(株)はりゅうウッドスタジオ

Email:info@haryu.co.jp,  TEL:0241-65-1001,  FAX:0241-65-1002

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開催直前お知らせとなりましたが、興味のある方は是非足を運んでみてください。150120郡山シンポジウムレジュメ-01

 

住宅建築2015年2月号 特別記事「ログ構法の射程―建築を通して震災と向き合う―」

先日発売された住宅建築2015年2月号(建築資料研究所  発行)の特別記事「ログ構法の射程―建築を通して震災と向き合う―」に、はりゅうウッドスタジオが震災直後から様々な専門分野の方と恊働し、福島県をはじめとした被災地で取り組んできた「横ログ構法」と「縦ログ構法」の活動、それらに関連する写真や文章が22ページにわたって掲載されています。

特別記事に際して難波和彦氏、藤塚光政氏、浦部智義氏、芳賀沼整、滑田崇志による「ログ構法の可能性」についての座談会の様子も掲載されております。

興味のある方は是非一度ご覧になって下さい。

WEB住宅建築HP http://www2.ksknet.co.jp/book/jk/

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金沢21世紀美術館「ジャパン・アーキテクツ3.11以後の建築」展

11月1日より金沢21世紀美術館で開催される「ジャパンアーキテクツ3.11以後の建築」展にはりゅうウッドスタジオも参加させていただきます。

金沢21世紀美術館の開館10周年を記念した企画展のひとつとして開催される「ジャパン・アーキテクツ1945〜2010」と同時開催され、ゲストキュレーターに五十嵐太郎氏と山崎亮氏を迎え、3.11以降の様々な社会の変化に対して、独自の考え方や手法で向き合う25組の建築家・グループ等の取り組みを紹介する展覧会となっております。

はりゅうウッドスタジオは、東日本大震災以降、福島県を中心に活動してきたスタジオの記録や思考、また現在地場材の活用や復興住宅等への利用を視野に入れて開発中の縦ログ構法をテーマにした展示をおこなっております。

期間は2014年11月1日(土)〜2015年5月10日(日)まで

金沢21世紀美術館でしか見ることができない展示となっておりますので、是非一度美術館に足を運んでみて下さい。

 

詳しくは金沢21世紀美術館のHPをご覧下さい。

http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1721

 

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唐櫃美術館と豊島の生活

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7月末、唐櫃美術館の展示に追加する材料・機材と生活のための最小限の道具を積んで豊島に向かった。1週間程度の滞在で展示物を整え、地元の住民に混じって運営に参加するためだ。

車で15時間程の道中と1時間程の船の旅はさも海外に来たかのような道のりだが、気候や風土が違う土地に普段生活する南会津のような親近感が湧いていた。島内にコンビニもなく、アパートなどはないが近所に地元の人も良く買いに来るタコ飯屋の屋台や漁師のたこ焼きが食べれる近所の溜まり場がいくつもあり、人々の距離感が近いからかもしれない。

唐櫃地区は唐櫃港のある「唐櫃浜」と豊島美術館(設計:西沢立衛氏)や島キッチン(設計:安部良氏)などがある「唐櫃岡」に分けられ、唐櫃美術館のある唐櫃浜には73世帯142人が暮らす。住民は主に漁業を生業としいる人が多く、今の時期はタコ、蟹等が水揚げされる。豊島内の生業は漁だけでなく、田畑(オリーブ等も)、果樹(レモン・いちご・みかん等)、酪農も行われて、様々な職種の人が島内のあちこちで繋がりがある日常に豊島での生活の豊さを感じていた。

唐櫃美術館はとても大らかな美術館だ。普段、開館は9時過ぎであったり、昼過ぎであったりと漁や農作業等の合間の時間に開かれる。地元住民が交代で店番をしながら、開いていると近所の人が様子を見にきたり、訪れた旅行者と住民が一緒にお茶を飲みをするようなそんな美術館だ。

唐櫃での滞在中は瀬戸内国際芸術祭の期間内と云うこともあり、様々な人に展示や震災以降の活動を知ってもらいたい気持ちで、8時過ぎから準備を始め、いつでも誰でも見にこれるように心がけた。

朝開けておくと、地元の方が顔を見せてくれる。日中はたくさんの人が訪れるのを気にしてあまり寄らない人が「調子はどう?今日も暑いね!」、夕方も他の美術館が閉まっても少し遅くまであけておくと「今日はたくさん来た?」などと声を掛けてもらいながら立ち話をしたりと、特に朝夕は地元の人のと交流の場にもなる美術館であることを改めて実感しながら過ごしていた。

現在唐櫃美術館での展示は福島での震災以降の活動を伝えるために震災以降福島県で生まれた木造仮設の建設から日常までを追った藤塚光政氏の写真展示「木造仮設住宅群-3.11からはじまったある建築の記録-」と東北大学の五十嵐太郎氏のプロデュースと共に仮設住宅地で生まれた彦坂尚嘉による「FUKUSHIMA ART」である。「FUKUSHIMA ART」はあいちトリエンナーレ2013にも出展されるため、あいちトリエンナーレのPRを行いながらの展示となっている。

震災以降の活動を直に報告される機会も東北から離れる程少なく、訪れる方の中には「木造の仮設住宅があることをはじめて知った」と云うひとも少なくない。書籍『木造仮設住宅群』撮影記なかで藤塚氏の「〜われわれは広範囲で起きた超大震災と大津波を忘れないために、時折、映像を繰り返し、見なければならないということだ。(中略)平穏な日常の日々は、災害と大災害の狭間にすぎない。われわれはその事を覚悟しておかなければならないだろう。」と云うフレーズは震災後2年を経過した今、改めて活動を伝えることの大切さを考えさせられる。

瀬戸内芸術祭にあわせた9月1日までの夏期間、唐櫃美術館は少しずつ変化していく。展示に対する解説やPRチラシなどが少しずつ追加されたり、運営に係る様々な人々によって手が加えられていく。

唐櫃美術館は、日々、島を訪れる様々な人々、島民を大らかに受け入れる「溜まり場」「休憩所」「憩いの場」のような場所であり、人の繋がりを通して常に発信し続ける活きた美術館であるのかもしれない。

(文・写真:早川 真介)

 

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ログハウス仮設住宅の解体 −屋根・ログ壁の解体がはじまりました−

先月からはじまった会津若松のログハウス仮設住宅の内部の解体が順調に進行して、先日より屋根などの住戸本体の解体がはじまりました。

解体時、重さのある部材についてはクレーンにより吊り上げての地上まで降ろしを行っていますが、母屋やログ壁については人の手で流れ作業で行うことでつり上げるよりもテンポ良く解体が進んでいく様子がみられました。

移設先のいわき市鹿島町の敷地では今週末に基礎の打設がはじまります。
今後は解体と合わせて建設の様子もリポートしていきたいと思います。

ログハウス仮設住宅の解体

今週はじめの27日より会津若松一箕町のログハウス仮設住宅の解体がはじまりました。

今回の移設では、住戸本体の移設に合わせて、建設時に積雪などの会津地方の気候に対応するために設置された風除室は大きな軒下空間として活用するなど、地域に合わせた変更なども行われます。そのため、風除室の部材も丁寧に解体を行い、再利用できるものや2次部材として活用できるものなど、解体しながら現在検討を重ねています。


解体の現場では、職人の方々も錯誤しながら解体、部材の整理、搬出等の作業をおこなっていますが、施工時の作業の少しの異差が解体時の作業量や部材の状態に関わってくることも今回の解体で分かってきて、日々、現場の職人同士の話題にもなっています。

また、一箕町の仮設住宅団地はログハウス以外のタイプの仮設住宅も移設の対象になっていて、移設後の敷地の経過やあいた空間の活用法なども今後リポートしていきたいと思います。

書籍紹介 3.11/After 記憶と再生へのプロセス に震災以降の複数の活動が掲載されています

Category スタジオブログ 未分類 東日本震災関係 — @ 2012年8月17日

五十嵐太郎氏監修により出版された書籍「3.11/After 記憶と再生へのプロセス」(LIXIL出版)に、先日芳賀沼がアルメニアで講演を行った「3.11 東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」巡回展に出展した震災以降の活動が掲載されています。

書籍では3.11以降の内容をⅠ.被災と避難、Ⅱ.仮設住宅、Ⅲ.復興ビジョン、Ⅳ.3.11/Afterを考える、に分け、各章では被災地などで行われてきた建築を取り巻く様々な活動の紹介や震災以降の対話、インタビュー、論考などで構成されています。

Ⅱ.仮設住宅に下記プロジェクトが掲載されています。

■二地域居住の観点から考える福島の復興計画

滑田崇志+芳賀沼整(はりゅうウッドスタジオ)、浦部智義+日本大学浦部研究室

■KAMAISHIの箱

難波和彦+界工作舎、はりゅうウッドスタジオ、浦部智義+日本大学浦部研究室

■塔と壁画のある仮設住宅

東北大学五十嵐研究室(吉川彰布+村越怜)、はりゅうウッドスタジオ、彦坂尚嘉、日本大学浦部研究室

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アルメニア紀行②−旅の目的

アルメニアで紀行②を書く前に無事向こうでの日程を終え、日本に帰国しました。向こうからのリアルタイムでの更新をお待ちして頂いた皆様には申し訳ありませんでした。

紀行②ではまず旅の目的でありました、国際交流基金による巡回建築展「3.11-東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」のアルメニア展示と源栄先生・芳賀沼が参加しました講演の様子をレポートしたいと思います。

今回の会場は、アルメニアの首都エレバンの中心部に位置する、「アレクサンドル・タマニアン・リサーチ・インスチチュート・ミュージアム」と云う、都市建設省などが入る政府機関に付属する建築博物館です。アレクサンドル・タマニアンとはアルメニアで最も有名とも云える建築家で、ロシアやエレバンの中心地の共和国広場やオペラ座など現在でも多くの市民に多く利用させている建築作品や都市計画などに関わった方です。博物館はアレクサンドル・タマニアンの曾孫にあたる、ハイク・タマニアンさんが館長を務めていらっしゃいます。

今回の展示会場の設営はハイクさんが中心になり博物館のスタッフの人たちの手で前回の展示会場であるモスクワから届いた模型やパネル等を急ピッチで行われたそうです。

オープニング前日の展示会場の風景

展示会場はアルメニアの建築の歴史知る事ができる写真なども飾られ、私たちにとっても刺激的な会場となっていました。

「KAMAISHIの箱」「南相馬市の塔と壁画のある集会施設」の展示の様子

またスタジオが関わる「KAMAISHIの箱」・「南相馬市の塔と壁画のある集会施設」「二地域居住」の3つのプロジェクトも隣同士で展示されていて、この模型やログ材の展示に、日本より持ち込んだ「木造仮設住宅群」の日本語の本・英語版の冊子、「3.11万葉集-復活の塔-」も一緒に置いて頂きより内容を楽しんでいただけるような展示となりました。

オープニング当日には地元の建築関係者や専門家、アルメニア政府関係者、建築学生や日本語を勉強する地元学生、アルメニア在住の日本人、バックパッカーでアルメニアに滞在中の日本人や他にも多くの人や報道関係者などが会場に訪れ、活気あるオープニングとなりました。

建築家でもあり博物館館長でもあるハイク・タマニアンさんのオープニングの挨拶

たくさんの人が会場に訪れていました

フクシマでの活動の展示にも多くの人が訪れていました

会場では日本語を勉強する学生と意見交換する様子も見られました

オープニングの挨拶等の後、30分程各々で展示を見る時間が設けられ、いよいよ今回のメインイベントでもある源栄先生と芳賀沼による招待講演がはじまりました。実はアルメニアへ向かう前日まで日本でプレゼ資料の調整を行い、日本語・英語の資料を現地に送ってもらっていたのですが、こちらで連日アテンドして頂いた通訳のルザン・ホジキャンさんによりすばらしいアルメニア語のパワーポイントの資料になっていました。

アルメニア語の資料(KAMAISHIの箱タイトル)

発表直前の様子(写真は源栄先生のppt)

講演は源栄先生、芳賀沼、アルメニア都市建設省の方の順に行われました。

まず、源栄先生は旅の中でみた現地の建物などの特徴などを挙げながら、今後アルメニアで必要であろう地震防災の考えかたや災害教育の必要性などを自身の専門分野を交えた講演で同行した自分たちにとっても勉強になる内容でした。

続いて芳賀沼の講演は、東日本大震災直後の様子や3.11以降に行ってきた活動などをそこで暮らす人々や利用させる現在の様子を写真や音楽を交えての説明となりました。最後に示した富岡町の誰もいない町に桜の花びらが降り積もる様子では写真をみて泣かれている方もいらしたのがとても印象的で、今回の旅がとても重要な機会であることを改めて感じました。

最後に都市建設省の方の講演ではアルメニアが抱える地震や原発を持つ国としての問題意識などが日本と共有できることを挙げ、日本で進む地震対策の技術に対してアルメニアではどのように対策を行っていくかや現在行われている取り組みなどの講演が行われました。

講演後の質疑の様子。人が並んでいます

講演後は3者に対して現地の方々より様々な質問があり、それぞれ源栄先生や芳賀沼が質問に応じて対応しました。

講演後は立食形式の懇親会があり、会場に訪れていた様々な方々とお話をする機会もあり、無事今回の目的である日程を終えることができました。

エレバンの中心地にある共和国広場

オープニングイベントの終了後はアルメニア在住の日本の方や通訳の方々、展示に際してアルメニア入りされていた日本人の方などと一緒に共和国広場を望むオープンテラスのバーで打ち上げとなりました。恐らくアルメニアで一番日本人の密集度が高い場所となり、アルメニアでの最後の夜を楽しみました。

共和国広場を望む夜景

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