仙台レポート 滑田 地盤の傾き 改修への筋道をつくる

●3月25日
今日は仙台市泉区にある友人の家を訪問しました。
先日電話を頂き、家が傾いており状況を見てほしいと声をかけてもらったので出来るだけ早く行きたいと考えていました。

友人の家は、団地の高台の端に位置し、景色の良いところにあり、今回の地震で家が傾いていました。(1/20程度)

敷地内にある地割れ。

大工さんも一度見にきてくれたようで、基礎や建物は、瓦が落ちる程度で全く問題なかったのですが、地盤の方が傾いていました。家は、傾いていたとしても、様々な方法で直すことができます。
①基礎は、そのままで建物を土台から上部の傾きをパッキンを調整するなどで直す方法
②基礎下部からジャッキアップ、鋼管杭により支持層までの鋼管をつくる(日本曵家境界のHP)

建物のつくりは、丁寧につくられており、大工さんの心意気がつたわる家でした。
友人の家は建物自体には問題がなく、基礎の傾きをどのように直すのかというのが考えなければならない所です。

地盤調査の後、支持層の状況をみながらの判断になります。
家を地震後の被害を判定するのに、応急危険度判定という制度があります。

応急危険度判定士が、この家は安全かどうかという判断を、地震後の発生後の早い段階で行ないます。
できるだけ、たくさんの住宅をすばやく判断していかなければならないので、主に外観からの調査で、3段階の判定(検査済み、要注意、危険)をします。
その判定では、具体的な解決策を示すわけではなく、その後、どのように家を直していくのかという問題は、それぞれの施主の方が、判断しなければなりません。

一部の破損であれば(例えば瓦だけとか)、その部分だけを直せば良いので比較的対処しやすいものです。
しかし、複合的に被害が重なったときや、補修費用が高額になるときなどには、施主の方だけでは判断が難しいと感じることがあると思います。
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今回の友人の家では、そうした時に、設計事務所の視点から、この補修の筋道を建てることがまず必要だと思いました。
さまざまな改修(補修)の方法があり、費用面とのバランスも考慮しなければなりませんし、これからの家族の住み方についても考える必要があります。
もし気持ちが沈んでしまっていても、私たちが筋道を立てて改修を行なっていく事で前向きになることができればと考えています。

改修の判断に困るケースは、地震後2週間が経とうとする今、数多く生まれてくる問題かもしれません。
被災後の改修の判断にお困りの場合、わたしたちもできるだけ対応したいと思います。

はりゅうウッドスタジオは福島と東京に拠点があります。
震災から、少しずつ復興を始めた今、通常の設計業務との連携をとりながら活動していきたいと思います。
(文 滑田)

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